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Nan’yô-ji Gatepost

南洋寺の門柱

「サイパンにおける仏教活動の記憶」

N15  ̊12’46.578” E145  ̊42’59.151

フィエスタリゾート&スパ・ホテルの南東の角に、南洋寺の門柱が一本立っている。南洋寺は青柳貫孝師によって1932年に建立された。仏教は六世紀に韓国(百済)を経由して日本に伝来して以来、日本古来固有の宗教神道と共存し混在を続けてきた。様々な宗派にわかれて実践されている。南洋寺は、浄土信仰のうち法然を開祖とする浄土宗に属した。浄土教は日本で最も広く信仰されている仏教宗旨である。門柱には「浄土宗 多寶山 南洋寺」と刻まれている。1936年には、青柳師の陳情により南洋寺のすぐ北側に南洋家政女学校が開設された。そして1939年には、この学校は、当時日本では二つしかなかった官立の女学校の一つ、四年制南洋庁立サイパン高等女学校へと発展した。第二次大戦でこの学校は破壊した。1976年には、南洋寺と高等女学校の敷地に観光客向けの近代的なホテルが建てられた。戦後の開発活動のなかでこれらの場所の唯一の残存物がこの門柱である。門柱の左側の後年の標識には「多宝山 南洋寺 開山第一世 青柳貫孝」とある。